テスト現場のお悩み相談 #JaSST '17 Tokyo

登壇者

  • 鈴木三紀夫
  • 松木晋祐
  • 山崎崇
  • 藤原洋平
  • 長谷川聡

モデレータ

  • 江澤宏和

アジェンダ

オープニングとポジショントーク

  • 炎上しているプロジェクトに入る場合、みなさんはまず最初に何をしますか?

鈴木

  • 入るときにはPMとして入るが、表と裏の技がある。
    • 表の技…全てのタスクを洗い出すこと。お客さんのクレームとかも全てタスクにする
    • 裏の技…入ってすぐ、メンバーに「平日のある1日休め」と言う。お客さんの交渉力があるPMだと信頼してもらう

松木

  • テストリーダーの立場として入ったら、情報の流通経路を確認し、詰まっているところが無いか確認する。情報を今後共有する時は、その経路を使う。それが無かったらまず構築する
  • どうなったら炎上が終わるか確認する

山崎

  • 支援とする立場が多い。
  • 欠陥管理ツールがあるならば、それを見る。WBSがあれば見る。あとはヒアリング。

藤原

  • 体制図を作って可視化する。
  • お客さんもいるときは、窓口だけではなく、お客さん先の開発陣や子会社なども確認する。
  • 仕様決めの人は?予算決めは?Goサインは誰が?を見る

長谷川

  • 現場のテストをしている人と話をする。
  • 上の人と現場の人の認識のズレがあるはずなので、そこをまずは解決する。

アンケート

  • 候補1…結構いる(2番)
  • 候補2…これ多い(1番)
  • 候補3…なるほど(3番)
  • 候補4…これ少ない
  • 候補5…意外と少ない

ディスカッションパート1「仕様書が神様ではない状況」

鈴木

  • テスト設計ではなく、QA形式のものを構築する

長谷川

  • 実態として、連絡経路とかではなくもうテストしなくてはいけない場合は?

松木

  • 私の場合はテストケースのレビューも行う
  • 機能仕様書やユーザーマニュアルを作ってからテストする。
  • クラッシュなどを中心にテストする。
  • 類似製品のテスト設計を当ててみる。
  • 質の低い仕様に対してテスト設計をしても効率が悪い

長谷川

  • 全部の質が悪いことはあまり無いのでは?

山崎

  • 特定のところだけ良いところはあまり無いイメージ

松木

  • 機能仕様が無くても要求が無いわけではない

鈴木

  • エンプラの場合は、区分コードや種別コードの組み合わせを考えて、ビジネスルールをあたりをつける。
  • もしくは画面からビジネスルールのあたりをつける

山崎

  • 期待結果に着目して話すが、テストオラクルが無い場合、そもそも期待結果を定義出来ないと思うが、起きたことのリスクを合わせて報告できるようにする。
  • 結果がFailだけでなく、影響度からのリスクも示す

松木

  • 確かに、これって開発側も分かるようにする

山崎

  • 上流側から行うのが王道ですが、テスト側からアプローチする。
  • 利用時の品質を訴求して示す。

松木

  • テストチームが仕様を書く。そのフェーズはきついが、次フェーズでアドバンテージになる。次フェーズでかならずテストチームに関わることになる

松木

  • 分かっている人が限られて属人化しやすい範囲かなと

ディスカッションパート2「結合テストが終わってないのにシステムテストが開始される」

藤原

  • 実際に経験あり。結合テストどころか、機能実装が終わってない段階でできるところからやってと言われる。
  • PMとの事前合意が大事。
  • こういう状況になってしまったら、立て直す方にフォーカスする

山崎

  • 決定権がPMにあるように見えるので、無茶ぶりに対するリスクを示してあげることが重要。
  • 新しいバグを見つけることも価値があるが、それによるリスクを説明することも価値がある

長谷川

  • PMにリスクを説明して聞いてもらえるコツはあるか?

松木

  • この段階になると聞いてくれない。

鈴木

  • これって手遅れなんだよね。
  • 何が問題なのかよくわからなかった。
  • 今回の対処なのか、もう一回起こさないためにはなのか。
  • おそらく、契約時などでこの状態になる予兆があるはず。
  • 隠して第三者検証に発注しようとしてもダダ漏れになるはず。

長谷川

  • その意見はAgreeだが、こういうことってよくあるべきでは?

鈴木

  • いくつかの握りができるはずなので、システムテストが1ヶ月あったら最初の3日でこれだけバグが出たら相談しませんか?とか

長谷川

  • 核心疲れるとへそ曲げちゃうPMは多いハズ。人情派で行きたい

山崎

  • 責任を負うあなたに向けてリスクを示したい。それでも行くんだというならばそのPMは責任を負うべき。都度都度ジャッジする情報を示したい。

長谷川

  • 数値を出すのって大変だと思うが、すごいと思う

鈴木

  • テストチームとリーダーではなく、PMの立場に寄り添っているように感じた

長谷川

  • いやらしい言い方をするとそうかもしれない。私はテストのプロなので、その部分については信じてくれと

鈴木

  • ということはPMOではなく、テストのアドバイザの立場と。

松木

  • 本来、どの段階で出るべきバグかというような数値を出す。
    • 次のプロジェクトもある場合はね。
  • 単発の場合は優先度を付けて、優先度の高い部分からやって、7割できるけど、3割できない部分をやりますかやりませんか?と伝える
    • (「冊」の字の話)

鈴木

  • 昔の人はT型とかπ型とか言う。
  • その状況で何とかやれと言われたら、チームを分けてしまう。

山崎

鈴木

  • そういうこと。
    • 場合によって、結合テストが開発者中心になっているならば、そこにテストチームが入る

ディスカッションパート3「影響範囲を適切にテストする方法は?」

鈴木

  • テストコンサルタントとして入るとめっちゃ多いが、これはテストの範囲ではない。
  • 影響範囲分析をしてくださいと言うしか無い。
  • 対象システムによって違うかもしれないが、リソース共有をしている場合、そこのプログラムにリソースに影響を及ぶ可能性がある場合(1次波及)と、そのリソース先も影響を及ぶ場合(2次波及)がある

山崎

  • ソリューションの1つはテスト自動化。もう影響範囲を考えない方法。

松木

  • 自動化を進める時は、冊の1画目をまずは行う。テストの人が知っておくこととして、開発者は影響範囲を断定するのがすごい怖い。
  • 「言ったじゃん」と言われるから。開発者に丸投げするのではなく、テスト担当者もテクニカルレビューに参加する。開発者1人に丸投げしない。

鈴木

  • 自動化しようとすると、保守フェーズなので自動化のコストを捻出できなくて断念する。
  • そういう場合はデータパトロールを導入する。
  • システムテストが終わったら簡単なプログラムバッチを流す。
  • テストの自動化というと負荷がかかるが、数値の単純な足し算を作っておく。

山崎

  • 自動化というと重いものを考えがちだが、チェッキングの部分だけでも自動化する

質問

Q. システムテストをやっている途中に結合テストやっているということについてどのように交渉するのか?

鈴木
江澤
  • やはりPMとネゴるべき?
鈴木
江澤
  • PMとネゴると裏という感じではなくなる

Q. 候補1に関連して、藤原さんが言ったように製造が終わってないのにテストしてくれと言われる。製造が終わってないので受け入れテストが始まる場合は?(作りかけのビルドが提出されてるとか)

藤原
  • 仕様書のレビューとか出来ないのでは?
山崎
  • そこまでいくと、政治で解決しないといけない
松木
  • お客さんに「本当にやりたかったことはこれですか?」と要求の方からアプローチする
鈴木
  • 質の高いテストケースを書くようにする
長谷川
  • これが全部通ったら嬉しいですか?というテストケースを作る

Q. 松木さんが、仕様をテストチームが書いてしまうと言ったが、設計チームも書いているので、2つ出来ると思ってしまうが?

松木
  • システムチームが書いている権限を乗っ取ったほうが良い。
鈴木
  • 派生開発は差分だが、テストで欲しいのは全体なのでそれをこっちで書く
江澤
  • 仕様書を書く技術はテストチームが持っているのか?
松木
  • 期待結果を元に作れば仕様書に出来ると思う
山崎
江澤
  • 動かないと仕様が確定できないものがある
山崎
  • それはテストオラクル問題で、実際に今後出てくる。分からないものに対してはかなり煮詰めておく必要がある

Q. コンシューマに所属しているのですが、設計との交渉になる。どこまでだったら直さなくても良いよというような知見があれば教えてほしい

山崎
  • バグレポートに対して直す直さないのかの判断はPMが行うべき。なのでPMにエスカレーションすべき。
松木
  • それはチームが目指すべき品質レベルの共有が出来てない。
  • 優先度高中低とその都度考えて付けているチームはきっと合意できていないはず。
  • パフォーマンスを重要とするのか、セキュリティを重要するのか。
山崎
  • いくつ以上のものはすぐに直すなどの判断をする

Q.探索的テストと記述テストをやったあと、スーパーテスターがバグをいっぱい出した結果、バグが収束しなかった。どのように記述テストにフィードバックさせるのか?

長谷川
  • 探索的テストを欠陥ベースにやっているはずなので、欠陥と見つけ方を管理するのが1つのアプローチ。何のバグを想定してテストを行おうとしているのかを共有する。
松木
  • 共有すべきなのは思考過程やテスト観点。探索的テスターが語りだした最初の10秒が重要
長谷川
  • 感覚派のテスターもいるのでは?
山崎
  • 説明が出来ないテスターは探索的テストではなくアドホック
鈴木
  • 感覚派の感性に合わせられる説明をすることも大事。

教科書に載らないテストマネジメント #JaSST '17 Tokyo

おことわり

  • 最初から参加することが出来なかった&携帯でメモしていたため、発言者や発言内容が合っていない可能性があります。
  • ご了承下さい。

お題1

  • テストマネージャは何が重要なのか

小山「知ること ※ただし制約の中で」

  • そして知らせることも重要
佐々木
  • 調整の方法は?
小山
  • 知りたいことって何か?というスコープマネジメントする。ヒアリングをする。
  • 事前にネゴっておく。
佐々木
  • 明日リリース判定でダメだよというときは?
小山
  • これだけリスクがあるのでオススメしませんと言う
  • 信頼して貰っているのが大切

中野「チームの柱…ではなく、テストの答えを持つこと。」

  • 第三者的視点で見れること。
佐々木
  • こんなん教科書に載せられない。「リファレンスとか」とはなんなのか

湯本「ブレない心。対等に渡り合う精神力。メンバーがやっていることが正しいと信じること」

  • テストが最後の砦になりがちな所なので、元々と変わってくる。それで残業が増えたり…。
  • そこで変わってくるのはおかしいと言い張ることが大事。
佐々木
  • もっと具体的な話が聞きたい

長谷川「説得する材料はどんなものがあるか」

  • いつ何を聞かれても、テストプロダクト状況を説明できる
  • メンバーにはテストに集中させて、常に説明できること
湯本
佐々木
  • どうやってその説明する材料を集めるんだろう?
長谷川
  • テストの状況をなんでも、というが、その中で何が大切だと思うか?
  • テストの何%とか本当に聞きたいんですか?
  • 経営層なのか開発陣で説明する内容は異なる。

    • テストリソースの話なのか、テストしないことのリスクの話なのか?
  • 最終的には経営層がジャッジするので、出荷をどうしても止めるということはない

お題2

  • テストメンバーに今回のテストの1週間頑張らなくちゃいけないとき、どういう説明をするのか?
  • だいたいステークホルダー側の話になりがちだが、現場の人にどのように伝えるのか?

小山「ゴールの話」

  • ゴールを達成するために困ったことが無いか
  • 人って目的とかゴールとか分からないまま進みがち。
佐々木
  • スケジュールだけでなく、内容を把握して説明している

湯本「なにをどこまでやれば終わるか。可視化、残テスト数、バグ数…」

  • 朝礼とかでやることを全部話して、目標達成したら喜び、達成していなければ残業したりする。
  • その可視化の情報に嘘を含めないようにお願いする
小山
  • メンバー信用してないじゃないですかー
湯本
  • 基本的には信用してるよ。それでも間違えることがあるから
佐々木
  • 計画通りで、ではなく優先順位をつけて朝会でやるって重要なこと

神田「I message ヘルプミー」

  • 緊急事態が発生したときは何をすべきか、やりたいことを伝えて、みんなで考えていく
佐々木
  • みんなに嫌われずにいることは大事
  • 黙ってやるのではなく、共有することが必要

長谷川「平鍋さんから聞いた話『スコアボード』」

  • 9回2アウトの時に、みんなが走れますか?
  • ステークホルダーもテストメンバーも同じ状況を理解して走り出せますか?
佐々木
  • 進捗とかがエクセルにまとめられて「ここに置いてあるから見てね」と言ってませんか?
  • かんばん方式とかみたいに、見える場所にあることが重要

お題3

  • テストマネージャーはテストプロジェクトを成功を導くたまにあらゆる活動を実施する。
  • そのためにテストプロジェクトを成功に導く秘訣を話しやがれ。当然その理由も説明しやがれ
  • テスト計画ではここを注意しようとか、テスト実施時にはここを注意しようとか。

中野「逆算のイメージ。」

  • 自分の中で計画もそうだが、実際のリリース日から逆算してイメージとの乖離を照らし合わせる
  • 数値だけ見てると多分違っている。メンバーの疲労度とか
佐々木
  • 自分だけ?チームメンバー全体が持てているか?
中野
  • 共有はするが、自分が一番見えているはず。詳細までは共有してない。
佐々木
  • スケジュールを立てる時は足し算して期間が無いから頑張って圧縮しがち。
  • そうではなく、引き算をできると、要素を理解しているはず。答えから引いていく。
中野
  • 答えから引いてくるとは?
佐々木
  • 全体で40とか見えていないと逆算出来ないですよね?
  • 積み重ねて終わりではなく、工程が結果に繋がるが、結果を見えてないといけない。

小山「完全性。※データの整合性」

  • テストの成功ってなんだ?と悩んだが、5Wをしっかり残すことが成功だと思っている。
佐々木
  • 現状の品質を知りたいという場合もあるが、出荷できる状態を示すことが必要
小山
  • データが残ってないとやり直しになっちゃうので、ちゃんと残しましょうということ。
佐々木
  • 一番最初から考えておかないと、説明は出来ないですよね。残っているデータから状況を管理しておく。
  • そして、すぐに戻って管理しておくのが重要。

長谷川「テスト実行に入ったら自分達が主役。バクが直らないなら直せるようにしてあげる。」

  • これをさせてもらえる伝達をする
湯本
  • テストを終わらせるには最終的には開発者が直して動くようにならないといけない
佐々木
  • 検出率はよく出されたりするが、修正率は出していますか?そこで修正率が高い人は能力が高い。
  • これをマネージャーがリードしてあげる。重箱の隅をつつくと、開発者が「もういいよ」とモチベが下がる。
  • どれぐらいバグがあるか求められたらいっぱい出すが、そうでない限りは、その方法はしない。

湯本「計画時と実行時で秘訣が異なる」

  • 計画時①…必要なものの調整。特に自分達で出来ないこと。
  • 計画時②…ゴールの握り。
    • 品質的なゴールとか。
  • 実行時①…正直になる。
  • 実行時②…バグの修正を停滞させない。
  • 実行時③…他テストレベルのと調整。
    • 「これだけ品質が悪かったら単体テストをやるべきでしょ?」とか
佐々木
  • なんかまともな回答ですね。
  • 他のところも見なくてはいけない。
  • 正直になることだけでなく、嘘をつかなくちゃいけないような環境を作らない。
  • 「オンスケです」と嘘を付いていると、8割ぐらい終わってからダメだとなる。

神田「臨機応変、ブレないゴール。」

  • 計画時点でゴールを握るが、基本的には線通りに行かない。
湯本
  • WBS通りにはだいたい行かない。
神田
  • その時の臨機応変に合わせて小さなゴールを決めたりする。

お題4

  • テストマネージャーは日頃から研鑽しているはず。
  • 後輩のお手本になるためにどんな努力をしているのか話しやがれ。

小山「とりあえずやってみる。※興味を持って楽しむ」

  • とりあえずやることが大事
佐々木
  • やってみるのは重要。
  • メンバーに働きかけるだけでなく、自分でもやる。
  • 失敗したからダメだではなく、その経験を使ってフォローしてあげる。

神田「社外→社内」

  • 10年前にjasstを知って、全国回った時は、それをすぐに実践したりしている。

長谷川「JSTQBシラバスを読んで自分のものにする。」

  • ラーニングオブジェクトを読む。オプションが変わっていく。
  • 自分の実力を知る。

中野「開発を学ぶ。」

  • WEB系は組み込み系と違って分かりやすいので、学ぶことが大事。
  • なんとなく経験で工数を増やそうか、ではなく、実際に学ぶ。
佐々木
  • テストって開発をどれだけ知っているの?とかはこれだけで1テーマになる話題

湯本「テストの知識は必要。(JSTQBのTM)」

  • 大事なのは、良いエッセンスを自分のところに適用させる。
  • 多くの人と協同で仕事をする訓練をする(WBSのような上っ面の部分だけではなく。)
  • テストマネージャーに限ったことではないが、いつも考えてトレーニングにするとか。

実行委員からのフィードバック

  • 神田さんへ…組み込み系をやっているので共感できる
  • 湯本さんへ…とにかくすごい。多くの人を動かしている
  • 小山さんへ…私もMなんだな。みなさんも是非やってほしい
  • 中野さんへ…逆算するイメージが出来てないことに気づいた
  • 長谷川さんへ…コメントを断言できているのがすごい。

MVP

  • スコアボードの話がMVP。
  • 状況を全員に伝えることの大切さを感じた。

  • 今の状況を共有する、嘘をつかずに言う。

  • うわべだけの共有になってないか気をつける。

  • 打ち合わせをやっていても中身が無ければ意味がない。

【ジャストーーーク】転職芸人が語るテスト/QA技術者としてのキャリアパス #JaSST'17 Tokyo

登壇者

  • 大西健児(以下、大西)
  • 柿崎憲(以下、柿崎)
  • 山本くにお(以下、山本)
  • 山本健(以下、番長)
  • 湯本剛(以下、湯本)
  • 吉澤智美(以下、吉澤)
  • 安達賢二(以下、安達)
  • 福田里奈(以下、福田)
  • KENさん
  • 越中谷郁美(以下、越中谷)

キャリアアップで芸人紹介

大西

  • 1人2分ぐらいで話すので早口で。
  • QAエヴァンジェリスト。社内では「エヴァンゲリオン」と言われてる。
  • 英語喋れるとかっこいいかも→外資へ転職。
  • テスト勉強しなきゃ→テスト技術者交流会へ
    • 翻訳を頼まれる
    • JaSSTを始めた1名
  • ASTER作ったり
  • JSTQB作ったり
  • 今日はけんさんが5人いる

柿崎

  • QA始める前に5回転職してる
    • 今回の芸人はみんな5回以上転職してます。
  • 肌色の多いみんながアクセスしていたサイトとか。
  • 市役所の臨時職員とか。
  • 黒い何とかVitaとかからQAの世界へ
  • mixiの業績不振が今の私を作った

山本くにお

  • 転職前の部分は割愛。平成元年に社会人に
  • 転職してSONYに入ってから高品質を求められた
  • TEFとかWACATEとかに参加
  • より早いサイクルの会社に転職
  • 現在はKDDI

番長

  • 僕、怖い人じゃないです
  • 最初は芸術を志して、水道がとまったりしていた
  • 最初はSIでテストして、リーダーへ
  • ベンチャーに転職
  • ソーシャルゲームで波に揉まれて
  • 現在はmixi
  • スライドには収入の変遷も載せた

湯本

  • 1991年に社会人に
  • メーカー系に入社
  • 海外に住みたいので休職しようとしたらダメと言われたので退職した。
  • ソフトウェアベンターに参加
  • TEFに参加
  • 東京に行くためにコンサルに転職
  • そんな感じでばーっとやって、今に至る

吉澤

  • 自分の場合は社内転職芸人ということで出させていただいている
  • 前半戦は基礎的な知識を溜め込む。開発→リーダーへ
  • 子供が生まれて、育休が終わった当たりから社外活動へ。
  • 出向先で色々あった
  • 社内異動を拒否したこともあった
  • 社内異動で研究職へ。標準化を行い始めるように

テーマトーク

  • KEN「15分前倒しで進んでおります」

転職した同機は何か?

山本「パフォーマンスを発揮できる戦場を求めて」

  • 整っていない会社さんのところに言って1,2年で回り始めると、「そろそろかな…」と思って、社外からも誘いがあって転職する
    • 安達「パフォーマンス発揮できると言ってるけど、繰り返していると同じところ回っている感覚はないの?」
    • 福田「これってどっかから声がといってるけど、結構なスパンなので、そんなにこないのでは?」
      • 山本「業務が落ち着いて情報を見ていると、『どう?』と言われたり、コミュニティ活動している中で『手伝って』とか。『飲みに行かない?』とか言われる」

湯本「テストの仕事をもっと価値の高いものにしたい」

  • 自分で何を書いたか確認します。
  • ソフトハウスに転職して、7,8年ぐらい立つと、気に入らないこととして、市場に出た後のバグでテストのせいにされた。
  • 「なんでもテストのせいにするのは良くない」といったら、上司の人が呼び出された。
  • 同時期にTEFで面白く思えた。
  • 清水さんの話を聞いて良いなと思った。テストコンサルの求人にひかれて。
  • あ、価値の高いものにしたいと話が変わっちゃった。
    • 山本「価値が上がった?」
      • 吉澤「湯本さんの給料が?」
      • 上がった。給料とかで愚痴っていたら誘われて次の会社に。
    • 安達「テストの仕事の価値って?」
      • 誰でもではなく、技術力のある人でないとできない仕事に。
    • 安達「上司にテストの価値をどのように伝えるか?」
      • バグが出る・出ないの段階だと難しいが、そもそもテストで何を見つけるかを予め定めておこう。なんでもテストで防ごうとすると、いっぱいチェック項目が増えて収拾がつかなくなる
        • ここで時間切れベルが鳴らされる

番長「ニーズがあるところに」

  • ベンチャーにいると、起業する人が多い。
  • そういう元同僚が企業に成功するとQAが必要になるので。
  • そこをコバンザメのようについていく。

柿崎「スタープレイヤーの仲間入りしたい」

  • mixiからサイバードに転職した時にこの考えを持った
  • mixiの社員は、mixi以外の現場でも活躍する人がいる。そういう人はだいたいエンジニアとかインフラとか。それをQAエンジニアとして成し遂げたい。モデルケースになれれば良いと思う。
  • ソフトウェアテスト業界も恩返ししたい
    • 番長「僕が追い出したわけじゃないよ」
    • KEN「2人は入れ違いでmixiに入ってます」
  • KEN「誤解を招かないように説明しておくと、このセッションは転職を煽るわけではない」

これまで転職して新しい会社に言って、一番驚いたことは何か?

大西「給湯室でおでんを似ているおばさんがいた」

  • 転職の面接時にそうめんゆがいてた
  • そこに入社したら、同じ人がおでんを煮ていた
  • ベンチャー会社だとトイレ当番とかあった

番長「テストチームの立ち上げからやることになった」

  • チームを作っていけばいいやと思ったら、「来週、デグレッシェンドテストやって」と言われたぐらい、テスト文化が無かった。
    • KEN「最初、そういう状況を聞いてた?」
      • 認識はしてなかった。
    • KEN「そこからテストって大事だねと思わせるのにどれくらいかかった?」
      • 1年半ぐらいかかった。ひたむきに、努力した。バグがないと思っているところに指摘した
    • 「番長がいないとダメ?って思われなかった?」
      • 部屋が暑くなるので、
    • KEN「同じように、先陣を切ってテスト文化を育てた人は?」
      • そこそこ出来ていたが、そこからさらに一段上げることはした。フルで立ち上げるときは、JCOMのインターネット部門のときは、テスト部門の外国人の人が退職することになって、社内で1年半ぐらいテストの営業活動をやり続けた
    • 安達「その過程で一番苦労したところは?」
      • やる気のあるメンバーに「テストって楽しいよね?」という話を伝えた。あとは、実際にやる対象について話して、リスクベースドの話をして、具体的にツッコミを入れた。
    • 安達「味方をどんどん増やしていくのは良いね」

湯本「結局みんな似たようなことで悩んでいる」

  • KEN「隣の芝生は青い状態ということだったのでしょうか?」
  • 長野県では出来なくて東京だったらなんとかなるだろうと思っていたが、どこも同じだった。
    • 福田「驚いたけど、慣れるものか?自分も福岡から来ているので、東京って進んでいるというイメージがあるが。」
      • すごいなと思う会社もあるけど。え?東京だといいこと?無いよね。いいこととしては、自分が技術力を磨けばどこでも通用する。

吉澤「同じ言葉が違う意味で使われている」

  • ソフトウェアグループからハードウェアグループに社内移動したが、言葉が違った。
    • 例えば、リターンキーの解釈が違っていた。DOSではないオペレーティングシステムに慣れていた同僚は、リターンキーは確定だけで送信は行わないと思っていた。まずはズレがあるのがどこかを確認する
    • 湯本「転職しなくても、大規模なプロジェクトだとそれぞれの会社で作っていると、統合テストの段階でズレがあったりする」
    • 山本「子会社の単体・結合・総合、親会社の単体・結合・統合があって、何回統合やるんだよ?と思ったことがあった」

転職後に「あー、転職しなきゃよかった、マズった」と思うことがあった?

湯本「誘った2人がいなくなった」

  • ある会社に入社したときの話。その会社の社員2人に「製品を日本で売れるようにしてほしい」と説得されて転職したら、入社した後に色々あってその2人は退職しちゃった。けど、そこからポジティブになって楽しくやっている。
    • 安達「立ち直るのは大変だったのでは?」
      • 大変でした。ただ、社内転職で別の人に誘われて社内転職できた。(その人も辞めちゃったけど)
      • 結果的に色々と携わって社長賞も取った
        • 安達「社長賞の写真は湯本さんがかっこいい格好して飾られてる」
        • 福田「今日の格好は…w」
    • 安達「人で苦労しているけど、技術で打開してきた?」
      • 良い人との出会いがあった
    • 大西「今会場に来ている同僚は良い人ということ?」
      • そうですよ

なぜ同じ職種(テスト/QA)に転職するのか?

大西「定め」

  • なりゆきって書こうとしたら言われそうだったので定めとかいた。
  • 転職時には、これまでやってきたことを続けると給料が下がらないから。
  • yasuharu_nに誘われたり、会社の社長と喧嘩したり…
  • コミュニティに入っていたので、仲間が出来る
  • 結果的に他の職種に就いたことは無かったが、Vモデルの右側が出来るから左側もやってみたりもした
    • 福田「左側にずっといようとは思わなかった?」
      • 「とある会社で売ったら、上手く売れなくて事業を畳まれたので、左側を続けなかった」
  • 要求仕様書を書いている立場のときには、QAの人が指摘したときに、あなたが合っているよと言えた

山本「面白いし、求められているから」

  • 狭く深くも見れるし、広く浅くも見れるので、また相談されることが多くなるので色々出来る
    • 安達「思わぬ収穫になった技術とかはあった?」
      • BTSがあまりなかったときに、BI系のことをやりつつ会計系を学んだ経験が、プロジェクトマネジメントで役立った

番長「学びが付きないから」

  • WEBの領域にいるので、色々な製品・サービスが出来て、ごちゃごちゃ戦っているうちに、色々とタメになっていっているので。

吉澤「入社して間もなく、テストで身を立てると宣言した」

  • テストでやるぞ!といった手前、気になったことをどんどん勉強した。
  • 2回の育休の間にガラッと変わっていく。OSが変わったり。
  • テストを学んでいると、沢山の人に頼られるし
  • 開発よりも応用しやすい。
  • 周りにちゃんといって、自分もやっていく
    • 福田「そういうポジションはいないからやっていたと思うのですが、産休の間、会社は同対応した?」
      • 1回目は後輩に押し付けた。2回目はちょうどプロジェクトの境目だった。マネージャになってからは、フルタイムでない人ばかりのチームになったので、2人体制にした
    • 福田「会社がそういう方針にした?」
      • 私がそういう体制にした

柿崎「理由なんかない」

  • 転職エージェントや面接相手の会社に聞かれたが、「この仕事を愛しているから」と答えている。
  • 自分はテスト好きなので、本当はテストし続けてバグ表を書き続けたいが、マネジメントをやらせてもらうことが多い。
    • 安達「今は?」
      • 今もマネジメントですね
    • 安達「つまらない?」
      • つまらなくはないけど、ウズウズはする。ただし、マネージャの仕事をしないといけない
    • KEN「好きって言ってないとやってられない仕事ですよね?」
      • 一同「えっ?」
    • 湯本「私の場合、転職したいもう一つの動機は、係長とかで部下を持ちたくなかった。一緒に仕事してないのに評価する役職になりたくなかった」
      • 山本「テストをやっている人を正しく評価できる人はテストのマネージャでは?」
        • 湯本「わかった。やるよ」

学生「新卒・転職(一般)はつまらなそう。転職芸人は楽しそう」

柿崎「いろんな会社、人、志向、課題をディスカッションしてみるだけでも楽しい」

  • 何らかの課題を解決したいから転職している。転職先の悩みを聞くだけでも楽しい。どういう風に解決しているか想像できるので。どういう悩みがあると調査できると、それってただの面接ではなく、課題を共有・ディスカッションできるから。
    • 湯本「新卒だとそういうことを言えないのでは?」
      • だから新卒の面接官はクソ
    • 安達「私、面接官をやってるんですが」
      • 本当は悩みを打ち明けた方が良い。圧迫面接とかやっているから日本はダメになる
    • KEN「採用の立場に立っている人がいると思うが、どんな場所を重視している?」
      • 番長「ストレス耐性のない人が好き。自分の好きな人を見つけてとことんやる人が欲しい。テストを募集しているのに、「企画もやりたい」と言ってる人はパフォーマンスを出せない」
    • 福田「短時間の面接でどれくらい出せば良い?」
      • 番長「私の場合はどれくらい打ち解けるのかを基準にしている」
    • 福田「採用する方も楽しんでいる感じ?」
      • 番長「そうです」
    • KEN「他には?」
      • 湯本「圧迫面接してないよね?」
        • 柿崎「私が採用時にやったような相談を、面接官の立場になってもやってる。こっちから投げた相談に対して、熱く語れる人が来て欲しい人。もう一つ基準にしているのが、(やばいな、テクニックで取られる…)過去にやった工夫とかを喋っているときに、感情が乗っているかどうかを観る。他の人のをパクった話は感情が乗らないことが多い。心情を吐露することで、暑いディスカッションが出来る。」

転職を薦めない場合はどんなときか?

柿崎「嫌な環境だから転職するとか、有名な所入って箔をつけてやろうとか」

  • 体調に悪影響を起こしている場合はすぐに転職した方が良いです。転職によって課題を解決したいという場合は転職したほうが良い。

転職に関わらず、技術者として意識しておくことは何か?

吉澤「好奇心、向上心、あと人脈を少しでも広げておくと役立つかも」

  • 知らないことはとにかく調べる、聞く
  • セミナーを進められても、「お金もらえなかったら行きません」とは言わないで、自己投資する
  • 人脈を社内・社外で作っていく。転職にも役立つかもしれないし、悩みも解決できるかもしれない

    • 福田「これって難易度が高いのでは?パワー使うと思うが。そういう人にはどうすれば良い?」
      • 無茶してます。それでもやってみることが大事。出ていっても、出続けるのも人次第。ゼロベースで考えると色々と気が楽になる
    • 山本「レポート、稟議…の大変さとか、偏見とかがあるかも」
      • 稟議は書いてあげます。上の方はそれを誘導してあげる
  • KEN「これ、なかなかイベント参加の報告書に書きづらい内容が多いですよね。publickeyさんも手を止めて諦めてる所があったりする」

大西「技術を磨いて、不得意領域の人的ネットワークを構築する」

  • 世界の最前線を知るためには英語が必要だけど、ICSTなどの機会を用いて欲しい。
  • この辺の年になると、自分の苦手な場所を分かっている。しかし、それは恥と思わず、自分の苦手な場所を助けてくれる人を作る
    • 湯本「その代わり、自分の得意なところを作ったほうが良い」

柿崎「スキルや得意なこと、それがビジネス上の価値にどう結びつくかを記録、整理する」

  • 日々のTODO一つ一つをどのようにやってのかを記録する。それをビジネス上の価値を生み出したかを記載しておくと良い。
    • 安達「どこ言っても通用するよとすれば良いよいうこと」
      • いつ転職しても良いように
  • KEN「転職だけでなく、新しいサービスを行うときにも重要になる」

湯本「自分はどうしたいのか?を考えるようにしましょう」

  • 技術者として極められない環境になったら転職を考え始めれば良い
  • やりたいことがやれないときには…(ED音が鳴り始める)

まとめ

  • 福田「皆さん、探究心のある人達だなと分かりました」
  • 安達「自分の好きなことをやって、過ごしている人だと分かりました」
  • 山本「転職芸人ブラックの番長です。人生の棚卸しに転職が良い機会だった。」
  • 柿崎「光のジョブホッパーの柿崎です。あまり話す機会をもらえないと思っていたが、いっぱい喋れて良かったです。私はあまり先のことを事を考えないタイプ。やっていった後にできるだけ。課題が無くなったら取りに行くことも大事。」
  • 番長「コバンザメ芸人の番長です。STAFF募集中です。」
  • 吉澤「社内転職エージェントの吉澤です。テスト設計コンテストもあります。3/13〜ICSTがあります。どちらもチラシが入っています」
  • 大西「よーくかんがえーよー♪おかねもだいじだよー♪ということで、バランスも考えて。」
  • 湯本「このセッションは山本と私でJaSST九州の飲みの場で決まった。技術を磨くには勉強だけでなく実戦も必要。それが出来ないなら会社を変われ。」
  • KEN「どう考えてもネタセッションにお集まりいただきありがとうございます。アンケートで好印象があれば来年もやれるかもしれません。」

楽天トラベルの開発プロセスに関して #JaSST '17 Tokyo

自己紹介

楽天トラベルについて

  • 国内外の旅行を扱っている

開発体制・案件について

  • トラベル事業は楽天の中でもトップの方を位置する規模
  • セールス、マーケティング、開発が同じフロアで行っている。
  • 開発はさらに3つに分かれている
    • PDM
      • 未来を考える人
      • 30人程度
    • 開発
      • 100人程度
    • QA
      • 30人程度
  • 基本的には全て内製

  • 2016年の新規の開発案件が209件。

  • BugFixなどのPDM以外の案件はQAが関与していない

案件の内容比率

  • 2016年の各サービスごとの改善割合。
  • 国内宿泊サービスのBugFixが8割強
  • 改修のプライオリティを5段階に分けている。毎回のプロジェクトで行っている。

QAのプロセス改善について

以前のフロー

  • ウォーターフローに近いかたち
  • PDMの人はアイデア、議論、起票、レビュー、要件定義
  • 開発の人は要件定義レビュー、開発設計、テスト設計、開発・テスト、リリース

以前の問題

  • 旧システムvs新システム
    • 開発スピードについていけない
    • ケースが漏れる
  • プロセスの改善を行った。

現在のフロー

  • 現在は、要件定義、開発設計、テスト設計(シナリオの概要を書かせる)、ケース設計、手動テスト、本番確認

今後の展望

  • 今後は開発と同じ速度でテスト設計を始められるようにする。
  • 要件定義の段階からQAが入るようにする。テスタビリティの観点からレビューに参加する。
  • 開発の設計が始まった段階でテスト設計も行うようにする。

    • 開発の設計では漏れている観点をデベロッパーにフィードバックできるようになった。
    • 開発とQAの意思疎通がうまくいくようになった。
  • 今後は、テストケースをもっとプラグラマチックなケースで書かせて、すぐに自動化できるように行う。

    • 設計にはコストがかかるが、実施コストは下がるので、トータルコストも下がる。
    • 次回以降はデベロッパーに配ることで、デグレードを抑えることができる
  • QAの責任範囲は広がっていった。

まとめ

  • QAはリリース後の全てのバグに権限を持っている
  • QAの実施可否
    • 作ったツールのパス率、ITの結果、UTの結果から判断する。
  • 本番リリース可否

    • 全ての案件において、リリースできるかどうかの決定ができる。
      • 営業がリリースの要望を持っていても、拒否することが出来る。
      • バグが残っている状態で出荷することもある
  • PDM、開発、QAの三権分立を行っており、パワーバランスを保っている。

ソフトウェアの品質保証の本質 〜技法の変遷から学ぶ〜 #JaSST '17 Tokyo

はじめに

  • 今日はディスカッションのネタを提供する

品質保証で思い浮かべることは?

  • あんまり良い思いを持っていないはず
  • めちゃくちゃデータを取ってくることを矯正されている
  • 余計な作業を追加するの?

  • 2007年以降は現場にいないので、正直、知るか!

皆さんの組織の現状は?

  • QMSはありますか?
    • 全社もしくは事業部単位にある
    • 部門単位にある
    • 上記いずれもある
    • もしかすると無い
  • QMSの実態は?

    • ほぼその通りに行われている
    • 参考にはしている
    • ほぼ使われていない
  • SQuaRE(東さん)のは小難しく書かれている。

  • ISOはとんでもないことを書いたりもする

品質保証の定義

  • 石川…品質保証は品質管理の真髄。
  • 飯塚…お客様に安心して使っていただけるような製品を提供するためのすべての活動
  • 西…品質保証活動とは、品質リスク(バグがあるかもしれない)を最小にする活動。

    • 西先生の発言で唯一覚えていることです。
  • 品質保証は体系的活動がポイント。

  • 品質保証はworkではなくアクティビティである

80年代のepoc

  • V字モデル。この発明によりテストのやり方を説明・共有できるようになった
  • 日本の品質保証の大発明: 品質管理図 (テスト管理の代表的手法)

    • 45歳以上の人は品質管理図を若い人に教えて書かせてください。いろいろなことがわかるから
  • 開発が8割のバグを出したら、その人の限界が来る

    • そのための第三者検証があったりする

90年代前半

  • ISO9000の台頭。良いところと悪いところがあった。
    • 良いプロセスは良いプロダクトを生み出すが,プロセス重視も普及してしまった (目的と手段の逆転)
    • CMMIではプラクティスも追加され厚くなり,ますますプロセスは専門家の手の中に
      • 「『プロセス改善』っていう言葉は嫌いでしょ?」
  • PMBOKはPM支援ではなくPM監視のために作られた。

  • 人のデータは全く役に立たない、コンテキストが違うから。

  • 欧米は管理と実行で分かれている。

    • 「俺は言われたことをやってるよ」
  • トラブルの時に真っ先に走るのが出来るQA

    • →走りたくないから出荷しない

質問

Q. 話の中で出てきたテストチームと開発は両輪だと行っていましたが、品質保証のチーム内に開発チームをどのように捉えたら良いのか?

  • 開発者の言うことは全部信じたほうが良いのか?全部疑ったほうが良いよ?なのか
    1. 開発は半分ぐらい嘘ついていると思う。
  • しょっちゅう嘘ついてるでしょ。上司にそのまま報告する訳がない。
    • 例えば、水平展開して10件出ます→9件しか出ない→「1件はコーディング規約違反がありました。」と言って10件出たと報告。
      • そんなので品質が上がったりはしない。

Q. 品質保証部門の組織内のあるべき形、パワーバランスについて聞きたい。

  • 新しい会社を作ってQA部門を作ったが、後発なので力が弱かったりする。
  • 一方で品証が偉くなったり…。
  • 本来の品質保証部門のありかたとは何か?
    1. それは私の考えるべきところではない。経営者がしっかり伝えないといけない
  • 上司に、「あなたはなぜこの組織を作ったのですか?」と聞けば良い
  • QAは作業する部門ではない。
  • テストそのものは目的ではなく、それによって評価することが目的。
  • バグを出すことが目的ではない。

Q. 品質保証活動の仕組みについて。

  • 最近もまあまあ変わってないと思う。
  • 奈良さんはどう思っているか?
    1. お気の毒だと思う。意味の分からない仕事をしているのでは?
  • 「なぜこんな仕事をしているのですか?」と聞かないといけない。
  • しかし、最近の企業は成熟しているので声が届きにくいが、技術で語りましょう

Q. 現状を打破するためには?

Q. どういう方法で学べばよいか?

  • 直接聞け!なのか論文を読め!なのか
    1. 何に困ってますか?
    2. ちょっとよく分かってない
      • 困っていることが分かってないと勉強できないはず

Q. 色々なことで失敗してきたからこその金言を伝えていると思うが、バッドノウハウがあれば教えて欲しい。

    1. こっちの思い込みで進んだ場合は絶対失敗している。データを見て、相手に確認しないで(裏を取らないで)進むと失敗する
  • つまり、開発側に押し付けてしまったので、裏付けを取って進めていくことが大事
  • take and give ではなくgive and take で進めていくべき

Q. 品質保証に対するネガティブなイメージは奈良さんのやっている時は無かった?

    1. ネガティブではないことなんて無い!
    2. 無くなることはない?
      • きちんと理解してもらわない限りはネガティブから解消しない

Q. 品質保証部の部長にどのようなアドバイスをするのか?

    1. 組織や自分の仕事がなんのためにあるのか?を伝える。
  • あと、クォリティマネジメントシステムを回すことが重要。

Q. 認証に対しての鍛え方がよく分からない。どのように鍛えれば良いか。認証に対して完全に答えられるようにしたい。

  • A.それは無理じゃないですか。議題に対して質問できることが大事。

Q. 顧客対応を品質保証部門がしてくれるのは、ネガティヴではないと思っている。そういう話をして欲しかった。

    1. 確かにその通り。しかし、それでも酒の場とかで言われることもある。

Q. よく品質のところで話題に出るのがKPI。指標を出せ、決めようとか言われる。しかしコンテキストが違えば意味がない。それによってプロセスを押し付けることにもなっている。これに全く同感であるがどのように組織に理解してもらえばよいか?

    1. 中間管理職の人が若手に教えるしか無い

Q. 奈良さんにとって品質保証とは何か?

    1. 特別な言葉にしたくない。自分の仕事に対して責任を取る。
  • 立ち止まって考える。
  • 振り返る。
  • この癖をつけること。
  • 自分の仕事に対して責任を取る、特別なことではない。
  • 立ち止まるためのメトリクス、振り返るためのメトリクスがある。

基調講演 ICT応用S&S製品の品質不良のリスクとSQuaREシリーズ 国際標準(及び翻訳JIS)-その歴史と概要 #JaSST '17 Tokyo

講演者

  • 東 基樹

標準化について

  • ソフトウェアの標準化には皆さんの生まれる前からやっている。
  • 経営工学の基本は作業の標準化。重要なのは品質

NECでの思い出

  • NECでは、コンピュータの添付品としてお客さんのところへ行ったりした。
  • 私が入った年に倍々ゲーム。
    • 教育なんてできない。
    • ひどいサポートになっていた。
    • 仲間を集めて勝手に作業標準を作った。
  • 色んな様式、紙に埋めていく形式、本にしたらいっぱい売れた。マシンも売れるようになった。
  • PC8000が出てきたら、コンピュータを使うのはみんなになった。
  • 全社的な品質を野放しにすると全社的にひどいことになるよ。
    • →上の人がサポートして、全社的にバックアップしてもらった。
  • 全社会議で品質が大事と訴えた
  • それまでのテストは「動けばいい」という考えだった。
  • 品質展開、品質モデルを通じ、品質研究会を開いて、体験論文発表会を開いたりしていた。
  • 国際的にも論文発表していたら、早稲田大学に呼ばれた。
  • ずっと製品の品質というのは気になっている。

製品の利害関係者について

  • 以前はせいぜい数千ステップだったが、今ではメガ単位
  • 1ページの文章を書いたら1,2個のミスがあるのは当たり前。なので、誤りが無い製品というのはあり得ない。
  • SQueREでは利害関係者を重視していて、直接ユーザーに対する部分だけではない。
  • 直接ユーザーと間接ユーザーがいる。
    • 発表スライドでいえば、スライドを作る人が直接ユーザーに対して、そのスライドを見た人やこのスライドを広める人は間接ユーザーとなる。
  • ユーザーに対する品質も、どれも一緒とは言えない。
    • 中心ラインを踏むとアラームが鳴るのは良い面と悪い面がある
      • 良い面…中心線を超える
      • 悪い面…駐車中の車を抜かす
  • UNIXでプログラムを作るプログラマはカーソルキーが使えなかった。しかし、その状態が良いんです。実際、能率的に作業していた。しかし一般人は同じようにはできない。

SQueREの話

  • 国際的なユーザビリティのコミュニティがあるが、何にでも適用できると言い張る
    • 信頼性の低いものは…応答速度の遅いものは…どれもユーザビリティに直結する。拡大解釈して品質を飲み込もうとする。
  • SQueREは違う。エンドユーザーだけでなく、様々なステークホルダーのことを考えている。
  • SQuaREは「要求を満足する」だけでなく、暗黙的なニーズも範疇にしている。後は「当たり前品質」とか。例えば、寿司・刺し身には醤油が当たり前のように出てくる。サラダを頼むとドレッシングを聞かれる。「とりあえずビール」というと、銘柄を聞かれる。ステーキを頼むと焼き方を聞かれる。(フランスの場合はシェフに失礼。なんでも要求すれば良いわけではない。)

  • 良いものは設計から始まる。機能要求は書いてあることがあるが、品質要求が書いていないことが多い。

  • プルダウンの方が、ポップアップの方が…というのは品質ではあるが、最終的にはソフトウェアの機能要求に返ってくる。

  • 最初の品質モデルはKJ法。会議室の壁一面に「とりあえず品質の用語を張り出せ」「それをグループ化しろ」で出来た。

  • 「メトリクス」という言葉は今では使えない。カナダのオタワが猛反発した。メートル法ではないのでやめて欲しいという要求があった。

質問

なぜセキュリティは出てきたがセーフティは出てこないのか?

  • セキュリティはシステムの特性だが、セーフティは特性ではない。システムの結果として出て来るだけであり、利用時の品質で「リスク回避」にまとめている。

利用時の品質のところで混乱した。テストレベルの受け入れテストの部分と被っている部分がある。どういう段階で誰が使えば良いのか。出荷前の品質に携わっていた自分は使おうと思っていたが、出荷後の話も出ていた。

  • 利用時の品質特性と製品の品質特性の関連図を作っている。
  • 例えば、機能が不十分、使いづらい、保守性が悪い、これらを副特性のどれに関連するかというところから紐付けている。
  • しかし製品によって異なるので、一般的なものとしては出せない。
  • 実際にこれは今回のJaSSTのワークショップで体験してもらう。
  • 最終的には、製品に関わる人が体験してもらわないと難しい。

JaSST'16 Tohokuに参加してVSTePについて体験してきた #JaSSTtohoku #JaSST

告知ページ

JaSSTソフトウェアテストシンポジウム-JaSST'16 Tohoku

当日のツイートまとめ

togetter.com

基調講演「VSTePによるソフトウェアテストの開発」

VSTePの対象組織

  • 「このままでいいや、とどこかで思っている組織」はVSTePに取り組み価値が無い組織
    • 標準に沿っているから良いやと考えている組織
    • コンサルに全ておまかせしちゃえば大丈夫と考えている組織
    • 既に社内標準がしっかりしていて変えづらい状況の組織
      • しっかりしていること自体は良いことなので、わざわざ変える必要がない
  • 「このままじゃダメだ、と強く思っている組織」はVSTePに取り組み価値がある組織
    • 「仕様が無いので何をテストすれば良いか分からないからヤバい」と思っている組織
    • 「社内標準は既にあるけど、意味が無い」と感じている組織

VSTePとは

  • テスト観点を基盤としたテスト開発のための記法とテスト開発プロセス
  • 参考資料
  • テスト観点図、テストコンテナ図、テストフレームをつくることで、質の高いテストケースやテスト手順を作成する方法
  • 網羅性については考えていない
    • この作業をやって出てこなかった内容は、今の自分(チーム)の限界ということであり、漏れていたと把握できる状況にすることが大事

VSTePの構成

テスト観点図
  • テストケースごとのテストの意図を示したもの
  • テストケースの一部を抽象化したものになる
テストコンテナ図
  • テストレベルやテストタイプ、テストサイクルをまとめたもの
テストフレームとは
  • テストケースの雛形となるもの

VSTePのワークショップ

VSTePの進め方

  1. 仕様書を読む

    • どんな動きなのか把握するだけ
  2. 仕様書を読んだ感想や気になったところを一人ずつ喋ってもらう

    • あくまでもキッカケ作りなので、ここで色々議論する必要はない
  3. 付箋に観点となりそうなものを書き出す

    • これ以降は仕様書を閉じる!
    • 皆に聞こえるように喋りながら付箋に書く
      • 付箋に書いた内容が、別の内容を付箋に書くキッカケになるかもしれないため
    • 付箋に書いたものに対して詳しく聞いたり、ツッコミを入れるようなことはしない
    • 「これはテストする段階で行うものではなく、開発者が気にすべきところだから…」とか考えずに、思ったことはどんどん書く
  4. 書きだした付箋を見て、似たような内容(似たような意図で書かれたもの)をグルーピングする

    • その時、曖昧な言葉で記載していた場合は、「どういう意図で記載したのか」を書いた人に質問する
      • もしも、自分と認識が違った場合は、違う認識の点も付箋に貼る
        • 実際にワークショップ内であった例として、「メモリ」と書いた付箋に対し、「メモリ使用量」というパフォーマンス観点と「メモリ不足」というエラーの原因についての観点が出てきた。これらから、「メモリ」という付箋は捨て、「メモリ使用量」と「メモリ不足」の付箋を加えた。
      • 全員が同じ意図と理解するまで議論する。
        • 全員が理解し共有できていることが大事。
  5. グルーピングした付箋について、それらをまとめた(抽象化した)言葉を付け、ツリーを作成する。(テスト観点図の作成)

    • 例えば、「パスワード付きファイル」や「圧縮形式ではないファイル」については、「解凍するファイルの種類」とまとめた。
      • 先ほどの「メモリ不足」や「メモリ使用量」を「メモリ」とまとめることはしない。なぜならば、それぞれで意図が異なっているからである。
        • これを「メモリ」とまとめてしまうと、文字を見てまとめただけであり、綺麗なものにしようとしているに過ぎない(パット見て綺麗にすることが目的ではない)
    • 当日作成したテスト観点図 f:id:nihonbuson:20160524214341j:plain

      f:id:nihonbuson:20160524214419j:plain

      f:id:nihonbuson:20160524214449j:plain

    • 当日作成したテスト観点図をマインドマップで描き直したもの f:id:nihonbuson:20160523221445p:plain

  6. テスト観点図のトップノード(一番上の抽象化した言葉)を用いて、テストコンテナを作成する。

  7. テストコンテナを時系列で並べる
    • 当日作成したテストコンテナ図 f:id:nihonbuson:20160524214546j:plain

      f:id:nihonbuson:20160524214620j:plain

      f:id:nihonbuson:20160524214640j:plain

      f:id:nihonbuson:20160524214717j:plain

      f:id:nihonbuson:20160524214803j:plain

      f:id:nihonbuson:20160524214834j:plain

      f:id:nihonbuson:20160524214901j:plain

    • 当日作成したテストコンテナ図を描き直したもの f:id:nihonbuson:20160523221513p:plain

追加課題
  • このワークショップの最後に、「もしも圧縮機能を入れたら」という話になった。
  • これについては、「このコンテナの部分は再利用できるよね」「この観点図の部分は付箋が追加されるよね」と、一から作り直す必要もなく、メンテナンスしやすい形になっていることが実感できた。

復習

  • シンポジウムの翌日、復習を兼ねて、当日と違うグループの人と同じ課題(+Lhaca)でVSTePを行った。

成果物

  • 付箋にどんどん記載した時点の画像 f:id:nihonbuson:20160523221534j:plain

  • グルーピングした時点の画像

    • 一部ツリー化しており、この点は失敗している f:id:nihonbuson:20160523221612j:plain
前日との比較
  • 前日と違う観点が出てきた
  • しかしトップノードは似たようなものになることが多かった。
  • 途中で作業を抜ける人がいる場合、書いた意図が分からない付箋が存在することになった。
    • その際は、思い切ってその付箋を無くすことにした。
      • その付箋は抜けた人がいたからこそ出てくる項目であり、抜けたあとのチームの限界を超えているため
  • 復習会では、付箋を動かしやすい人と動かしにくい人が発生していたため、グルーピングがうまく行かなかった

感想

  • 事前の予習では、どのように観点図を作成すれば良いのか考えることが多かったが、実際に参加してみて、深く考えることなく(抽象度を気にすること無く)どんどん書いていけば良いと分かった。
  • 始める前は仕様書を見なくて書けるのかと疑問だったが、実際やってみると仕様書に書かれていないことがどんどん出てきた。