はじめに
セッションで話されていた内容をメモしてたのでそれを残しておきます。
ただし、少し発言の主旨が違う所があるかも
あと、発言内容は存在したけど発言者を間違えている可能性大です
登壇者
伊藤直也(以下、伊藤)
大場光一郎(以下、大場)
モデレーター
松尾康博(以下、松尾)
このセッションのテーマ
デベロッパーが今までどのように生き抜いてきたのか。これからどこをどう目指していくのか
松尾「クラウドの話が出てこないかもしれない。」
自己紹介
伊藤
- BtoBの技術顧問
- 新卒で社会に出てからBtoCをやっていた
- 過去15年間の変化について話したいと思っている
大場
- クラウドワークスCTO
- 創業時からのCTOではなく、引き継いでCTOになった(創業時CTOは開発担当の取締役)
- 元々はSIerだった。そこからBtoCにきた。
- 私は普通のエンジニアであり、トップエンジニアではない
松尾
- SIer→Web系CTO→仮想化→現職
- 色々な経験を積んでいる
技術の変化
- 1995年以前…メインフレーム、クライアント・サーバ
- 1995年…Web1.0
- 2000年…ケータイWeb
- 2005年…Web2.0(Ajaxとか)
- 2010年…スマートデバイス(クラウドもここらへんから)
- 2015年…??????
5年スパンでどんどん変わっていっている
ちょうど今年、新しいムーブメントがあるのではないか?
質問1
Webが出てきて20年、活躍するフィールドを切り開いたトップデベロッパーとして、変わらなかったこと、変わっていったことはありますか?(チームとしてではなく一個人の話)
伊藤
- AWSを初めて知ったのが2007年ぐらい。当時はAPIの名前がAWSだった
- EC2のプレゼンがあったが、かすりもしなかった。
- あれから5年ですごい変化になった。
- 変化の最初の頃は分からない。
- ケータイのiモードは最初、「これで面白いことができるのか」と批判的だった。
- そこからコンテンツとして成長するが、こういうものはいつか終わる
- 今、インフラの分野はAWSなどのお陰で使うだけにできているが、5年後ぐらいに変わっているはず
- 安住しないようにすることが大事。
松尾
変わってきたことは?
伊藤
- 最初はBtoC畑だった
- 掲示板を作る→簡単と思われていた
- 技術はエンタープライズからコンシューマだったが、今は逆になっている。
- 「コンシューマの技術をエンタープライズに使うにはどうすればよいか」というセッションが去年あったりした
大場
- 大手のベンダーから新しい技術があって、それをキャッチアップをする必要があった
- その大手のロードマップから次の技術がわかっていた
- 今はコミュニティベースになったので、ロードマップが何もない
- ロードマップに乗っているだけでビジネスが成り立つわけではない
- SaaSに移っていっているのでカオスになっている」
伊藤
AWSはロードマップ出さないの?
松尾
社内の決まりとして出さないようになっている
大場
大きな流れは気づかないが、技術の競合が出現した時に、シンプルなものが勝つ
伊藤
- やっている方は厳しいと思ってた。
- エンタープライズの方がしっかりしているのでおもちゃだと思われるぐらいなのではないか
- おもちゃだと思っていたのが、だんだんしっかりとしていった。
- 最初は劣等感が多かった。
- UNIXの哲学には「ひとつのことをしろ」とか、「最終的にはシンプルなものが勝つ」とか書いてあった
※これのことかな?
質問2
フルスタックで活躍するには勉強する量が多すぎる。取捨選択をしていると思うが、技術選択の大原則はなにかあるか?
伊藤
- OSSを選択する
- 自分はこのテーマ(質問)自体を否定したい
- 技術は手段でしか無いので、技術の良し悪しだけでキャリアにはならない。
- BtoCはお金がないのでOSSやコミュニティに寄り添っている。
- 世の中的には良い技術だと思っていても、単にお金が無いからということがある
大場
- GitHubでもRedmineでの不満からできた。問題を解決するために技術を選択すべき
- 選択することは難しく、一晩寝たら選択しようと思った技術が変わっていくもの。ただし決めていくしか無い。
- メインストリームから見たらおもちゃと言われるような、100%は解決できないが、7,8割を解決できるものを選ぶ。
- 例えば、Javaとか最初はJVMを1枚挟むとか…、Rubyはコンパイルしないとか、メインの人からしたら不完全なものと想われるかもしれないけど選んだりする
松尾
遊ぶっていうキーワードは大切だと思うが、興味から入っていくか課題から入るのか
伊藤
- 自分は課題から。興味ももちろんある。
- 今もJSとかAngularJSを触っているが、それはそれに対する課題があるため
- プログラミング言語も興味だけで新しいのを触る人もいるが、自分はしない
大場
- 難題がいっぱい降ってくるから会社にいる
- そうじゃないなら起業すれば良い。課題を探して挑戦していく
松尾
受け身よりも自分から課題を探していくということか
伊藤
- 今できる技術から解決しようとすると失敗する傾向にある
- なので技術から出発するのは賛成しない
- 例えば、Macはデザイナーがすごい偉いので、MacBookを作った時に、設計にもイノベーションが必要になった。
- 技術的なブレイクスルーはそういうタイミングにあると思う
大場
自分の成長とか新しい技術は自分が背伸びしないと
伊藤
背伸びの調整が難しい。好奇心から新しいものが生まれることもある。
ただし、僕らがやっているのはビジネス
質問3
これからの外部環境の変化をどう迎え撃てば良いのか?個人としてもしくはチームの立場として
伊藤
- マネジメントの話からしたい。
- 自分が若い時から今で変わったのは、作るものが曖昧になっていること。環境も曖昧になっている。
- 昔はロードマップがしっかりしていた。
- SaaSが中心になっていると、そもそもそれが当たるかどうかも分からない。
- チームに求められるのは曖昧体制が合うかどうか。
- 良い感じのPMがこっちの方法だ!と引っ張ることはない。
- 曖昧な状況でやれる人は仕事しやすいと思う
大場
- 外部環境は変化するものだというのを受け入れられることが大切。
- 枠組みにしたがって粛々と動く、精度に合わせて動く人もいるが、「世の中は動いているんだよ」ということを伝えたい。
- 会社としても開発部門と企画部門がわかれていたが、フルスタック志向のエンジニアが多かったのでエンジニアとしてまとめていた。
- 会社として向かうときに部門が完全に分かれていると温度差が発生しているのをあった。
- そこで横割りだったのを縦割りに(事業部毎に)変更した
伊藤
- 開発部門にしちゃうと、開発することしか考えなくなる
- どう使うのかまで考えると、開発は開発だけすれば良いわけではない
- 責任範囲は曖昧になる。仕様もやることも曖昧。
- 自分で区切っていくスキルが必要
大場
- お互いのかぶっている場所もやる
- 開発部門としてまとめていた場合は「どこでもやっていいよ」だったが、現在はロックインされてしまう。
- 他の得意な人がやったほうが良かったこともあった。
- そのため、この新しい仕組みでは短いサイクルでローテーションする
松尾
個人としてはどうか
伊藤
- 特定の技術だけでやっていくというのはリスクが高い
- そのテクノロジーが廃れたら危うい
- 新しいテクノロジーをやっていくのは若い人
- 上の世代がそのまま牽引していく技術はない
- 色んなスキルを身につけて、それを組み合わせて頑張っていく
大場
WEBはおっさんが頑張っているから、WEBじゃないものを頑張るとか
松尾
若い人を止めるのではなく?
伊藤
出る杭を叩いてもいいですけどね
おわりに
松尾
最後に、パネラーの二人から一言ずつ下さい
大場
- 業界は狭いんで、その時時に全力で取り組むことが大切
- 古い言語のプログラムは時代の節目節目で若い人にディスられる運命
- SIerの上司に「SIerのプロが本屋に負けるのか!」と焚き付けられたことがあったが、現実を見れていないと思う。
- 変化に対応してまじめにやっていく
伊藤
- 正解がわからないから、こういうセッションに来ていると思う
- ここに登壇している人も正解は分からなくて不安なので、安心してください
- 正解は分からなくて良い
- ただし、先に行っているのがどれぐらいのレベル間で、今の自分がどこらへんにいるのか、自分とのギャップが何年ぐらいなのかを把握しておいたほうがよい。
- そのきっかけとして、こういうセッションをいっぱい聞くと良い
松尾
- 私も刺激を受けた
- 伊藤さんが悩んでいるとは思ってもいなかった
- 皆さんも何か感じてもらえればと思う
感想
技術から解決するのではなく、問題があって解決するために技術を使うという主旨の話が盛んにあったセッションでした。
以前、リーン・スタートアップを紹介している人がいたけど、やっぱりその流れなんだろうなぁ…
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