はじめに
6月16,17日にWACATEへ行ってきました。
遅くなりましたが、今回はそのWACATEであったことを書きます。
目次
- はじめに
- 目次
- ガイドライン作成
- BPPセッション
- 1日目のワーク
- ガイドラインの見直し
- 夜の分科会
- 2日目の朝イチセッション「受けてみようUMTP認定試験!」
- 2日目のワーク
- 招待講演「原因結果グラフとWACATEは僕に何を教えてくれたのか」
- クロージング(ポジションペーパー賞の発表)
- おわりに
- 余談:他にもたくさん、今回のWACATE記事があがってますよ!
ガイドライン作成
今回のWACATEは、新たな試みとして「チームのガイドライン決め」を行いました。
これは、2日間のチームで目指したい雰囲気と、それを達成するための行動を示そうというものです。
まずは1人ずつ、目指したい雰囲気を書くのですが、私は「納得感がある」と書きました。
これは自己紹介の際に、WACATE2回目参加の方が「前回のWACATEはぶっちゃけ何も覚えてない」という発言があったためです。
それを聞いた私は、
- この人に、今回のWACATEは印象を持って終えてもらおう
- そのためには、この人自身が腹落ちして進めるのが大事
- だったら、目指したい雰囲気は「納得感がある」状態だよね
- これだったら、他の(特に初回参加の)人にも有益だよね
と思い、「納得感がある」と書きました。
BPPセッション
BPPセッションは吉武さんによる2017年度JaSST振り返りでした。
www.slideshare.net
このセッションでは、何しろ吉武さんのインプットの多さに圧倒されました!
そして、このBPPセッションが、今までインプットしていた吉武さんにとってのアウトプットの場の1つなんだろうなと、ひしひしと感じました。
1日目のワーク
1日目は、ユースケース図、アクティビティ図、状態遷移図について学びました。
www.slideshare.net
分かっているつもりになっていたけど、難しい!
特に、状態遷移図では、チームメンバーそれぞれと書かれた図が違っていて、すごい驚きました。
そして、違う部分を見つけて、その違いについて議論し、納得してチームとしての答えを出すのが楽しかったです。
ちなみに、この行動は、2日目のワークに大いに役立つこととなりました。
ガイドラインの見直し
1日目の最後に、チームで定めたガイドラインの見直しを行いました。
ガイドラインの見直し結果についても、チームで納得できるものになりました。
そして、この見直し時間の最中に、誰かがボソッと「これって守り神だ…」と言いました。
その瞬間、「ん?今なんて言った?もう一度教えて!」と私は食いついて確認を求めました。
そして、そのボソッと言った「守り紙」(神ではなく紙にした)を、「ガイドライン」という呼び名に変えて採用し、紙に貼りました。
おそらく、この言葉がチームとしての結束をさらに深める出来事だったと思います。
#WACATE 守り紙です(チームガイドライン) pic.twitter.com/qhJX843Hlb
— たまのび (@tamanobi) June 16, 2018
自分で写真を撮っていなかったので、同じ班だった、たまのびさん( id:tamanobi )のツイートを拝借
夜の分科会
分科会では初心者向けのグループに混じって参加し、今回のワークの悩みなどを聴く役割に徹しました。
その時に、「状態遷移図が分からなかった」という初参加者(Aさん)から、以下のことを感じました。
- 何が分かっていないのか分からない
- (初参加者である)自分はどうしても、経験者である皆の足を引っ張ってしまう
- 結果、ワーク中に質問をできなくなる
なので、私は以下の2つのプロセスを踏みました。
「何が分かっていないのか分からない」を脱却する
まず、Aさんに対して、その思考プロセスを聴くことにしました。
その時は以下のような問いかけをしました。もしかしたら、少し意地悪に感じるぐらいにわざとらしく。
- 今回の問題って、どんなことが書いてあったっけ?
- 具体的に、どんな命令をしたら、次のアクションにできたんだっけ?
- それらの考えを、おそらく無意識に頭の中で考えていたうえで、紙にはそれをまとめた内容を書いたんだね。
- 今言っていた細かいことも、どんどん書いていいんだよ
ここでのポイントは、「私の方からは何も答えを言っていない」ということです。
あくまでも、質問を答える人(Aさん)が考えていたということを強調させました。
Aさんは、私の少々意地悪な質問に対してもまっすぐ答えてくれました。ありがたかったです。
「質問できない」という状況を脱却する
Aさんへの問いかけが終わった後に、その様子をずっと見ていた他の参加者に「このやり取りを見ていてどう思った?」と聞きました。
すると、色々な意見が出てきました。
「こういう風な思考を元に自分はやっていたんだ」と思い返してくれた人もいたようです。
そして、Aさんに以下のアドバイスをしました。
- Aさんが質問することは、他の人に対してこんなにも良い影響を与えてくれていた。
- だから、チームメンバーに質問することは決して無駄なことじゃない。お互いのためにもなると思う。
Aさんが、2日目には、もっと積極的にチームに加われていれば幸いです。(他チームだから様子は分からなかったけど)
2日目の朝イチセッション「受けてみようUMTP認定試験!」
2日目の朝は、今回から実行委員になった岡内ワニさんの発表でした。
www.slideshare.net
今回のテーマであるモデリングを、WACATE後にどのように活かしていくかについて説明してくれました。
モデリングに対して、冷静に見つめ返す良い機会になった気がします。
2日目のワーク
2日目のワークは、あるお題に対してグループで成果物を出すというものでした。
このワークでは、いくつか工夫して進めていきました。
工夫その1「意見を極力拾っていく」
今回は、チーム内で一番参加回数の多い自分が方針を決めるのではなく、みんなの意見を拾って、一番納得度が高い部分を抽出して選んでいく方法にしました。
なので、ワークで扱う図についても、みんなの話を聞いて決めていきました。
工夫その2「自信のない人!」
ワーク中は、以下のStepで進めていきました。
- Step1. 個人ワーク
- Step2. 全員で見せ合ってすり合わせ
その際に工夫として、すり合わせの最初に「じゃあ、自信の無い人!」という声かけをしていきました。
そうすることによって、「自分はここまで完璧なものを描けてないから、自分の内容は無視して進めて…」みたいな意見を出させないようにしました。
グループワークは、グループのメンバー全員が参加者です。そこに、参加回数とか経験年数は関係ありません。
みんなが参加し、みんなで意見を出し、みんなで納得するように心がけていきました。
工夫その3「違いを見つけることに集中する」
1日目で、「皆さんの意見は少しずつ違うものだ」ということに気付きました。
そこで、私は特に参加者皆さんの意見を聞き、意見に違いが無いか探すことに集中しました。
言葉で話していると違いは見えづらいです。
しかし今回のモデリングのように、図を使いながら説明していることで、より違いに気づくようになりました。
工夫その4「納得してない顔を見逃さない」
最初のガイドライン(守り紙)で書いたように、「納得感がある」ということを目指すにあたり、納得してない顔を見逃さないように心がけました。
もちろん、「納得している(と思ってた)」という人もいます。
しかしそういう人も、納得してない人を前に、あの手この手で説明するうちに、「あ、自分も実は納得してなかったんだ」と気付くことができます。
私の班の場合、納得してない表情を示すのが上手かったのが、たまのびさんでした。
成果物
上記のような取り組みで行った結果、私のチームの成果物は、すべてのチームの成果物で一番少ないものとなりました。
しかし、私のチームの発表者を含め、おそらくメンバー全員が「この部分は重要」「この部分は苦労した」と言った内容が殆どズレない状態になっていたと思います。
余談の感想
たまのびさんは、自身のブログでこんな余談を書いています。
このWACATE 2018夏で知った手法を会社に持ち帰って、活かそうとするのは良い心意気だと思いました。 だけど、僕がこのWACATEで理解したのは、「何が問題か」「どこが重要か」見極めることです。 勇み足にならないために、ゆっくりと問題と向き合って、そのとき適切な手法で解決しよう。
WACATE2日目の感想 - TAMALOG
この余談って、すごい大事なことだと思います。
私自身もワークをしていて実感できたのですが、「どこが重要か」を見極める、適切な手法を見極めることの大切さがあると思っています。
今回は、ユースケース図、アクティビティ図、状態遷移図の3つでしたが、それぞれが独立であるのではなく、1つの図のアウトプットが別の図のインプットの手がかりになったと実感できました。
招待講演「原因結果グラフとWACATEは僕に何を教えてくれたのか」
招待講演は加瀬さんによる原因結果グラフについての講演でした。
www.slideshare.net
加瀬さんは、一つ一つ具体例を用いて説明してくださったので、すごい分かりやすかったです!
また、秋山さんのお話しなど、多岐にわたってお話ししてくださいました。それらの話も非常に興味深かったです。
クロージング(ポジションペーパー賞の発表)
さて、このWACATEでは毎回、クロージング時にポジションペーパーに関する賞が発表されます。
ポジションペーパーとは
WACATEの参加者が、参加表明時に提出する紙のことです。
2日間、この紙を使って自己紹介などをします。
ガイドライン作成の章にあった、「前回のWACATEはぶっちゃけ何も覚えてない」という話も、ポジションペーパーに書いた内容を元に話していました。
ベストポジションペーパー賞
ポジションペーパーは自己紹介のためだけではありません。
同時に賞の対象にもなっています。
そして、その中のベストポジションペーパー賞に私の内容が選ばれました!
ということで、今回「2017年度JaSST振り返り」を発表した吉武さんのように、次回のWACATEで発表する権利を頂きました!
私のポジションペーパー
私のポジションペーパーの内容を公開します。
製品開発を見ていると、いがみ合い・戦いの末に出来上がっている製品が非常に多く感じています。
そうではなく、如何に皆が幸せな状態のまま製品開発に向かうことができるのか、常に考えながらやっていきたいと思って、今回のようなポジションペーパーを書きました。
おわりに
最近、勉強会や仕事をやっていると「テストって何だろう?」と思い返すことが多くなりました。
そのときに、JaSST Kansaiで見た以下のツイートをきっかけとして、にしさんの講演を見ました。
あと久しぶりにこれを思い出した。 https://t.co/AxTgCZinGN #jasstkansai
— はまだりょう (@RyohHAMADA) June 15, 2018
「テストとは納得してもらうことである」
良い言葉だなと思います。
今回のWACATEでは、この納得を実感できたワークになったように感じました。
余談:他にもたくさん、今回のWACATE記事があがってますよ!
今回はブログ記事にしている人が多いなー。