『Agile Testing Condensed』を翻訳して出版しました!

2019年9月に出版された『Agile Testing Condensed』を日本語に翻訳してLeanpubにて出版しました!

表紙はこんな感じ。*1

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書籍紹介および購入はこちらから。

leanpub.com

現在は電子版のみ提供する形になっています。形式はpdf,epub,mobiの3種類です。

今回の記事では、この本がどんな内容なのか、そしてどんな想いで翻訳・出版に至ったかを書きます。

この本について

出版ページにも書いている紹介文を引用して紹介します。

Agile Testing Condensed』は、アジャイルにおいてどのような考えでテストを行うべきなのか簡潔に書かれています。JanetとLisaは、読者が理解できるように、20年間のアジャイルテストの経験から知識を抽出して表現しました。

  • テストとQAの専門家がアジャイルチームでどのように貢献するか
  • アジャイルサイクルにテスト活動をフィットさせるにはどうすればよいか
  • いつ、誰の責任で、様々なテスト活動を完了させるのか
  • テストエンジニアがアジャイル開発チームの他のメンバーと関わるにはどうすればよいか
  • デリバリーチームの全員が継続的なテストに参加するにはどうすればよいか
  • 視覚的なモデルを使ってテスト活動を計画するにはどうすればよいか
  • 短いイテレーションや継続的なデリバリーに対してテストが「追いつく」にはどうすればよいか
  • テストの有効性を評価し、継続的に改善するにはどうすればよいか
  • テスト自動化で牽引していくにはどうすればよいか

本書は、テストエンジニア、ソフトウェアデリバリーチームのメンバー、プロダクトチームのメンバー、ビジネスの利害関係者、管理者、経営者にとって必携の一冊です。

著者の最初の2冊である『Agile Testing』と『More Agile Testing』では、実際のアジャイルチームが直面しているテストの課題を詳細に例示し、それらがどのように解決されたかを説明しています。この『Agile Testing Condensed』は、多くの場合で有用であったアジャイルテストの実践の概要を紹介します。

また、今回の本でレビュアーになっていただいている川口さんも、自身のYoutubeチャンネルで紹介しています。そちらもあわせてご覧ください。

www.youtube.com

どんな想いで翻訳・出版に至ったか

想いについては、本書の訳者まえがきに書いた内容を、そのまま紹介します。

訳者まえがき*2

「私は本書籍の翻訳に携わることができて本当に嬉しい」

本書籍は、Agile Testingにおけるはじめの1冊として間違いなくオススメします。

著者のLisaとJanetにとってこの本は3冊目です。しかし、どの順番で読むべきか問われたら、間違いなく本書籍から読むように私なら伝えます。それは、本書籍が他の2冊と比べて優れている訳ではなく、はじめの1冊として狙って書かれた本だからです。

以前の2冊も素晴らしい本です。しかし、少しだけテストに興味を持っている人や、Agileにおける品質をなんとかしたい開発者や経営者にとってハードルが高い本でした。ちょっと読んでみるにはページ数が多すぎたのです。

一方、本書籍はタイトルの通り「condensed=濃縮された」本となっています。

しかし注意も必要です。本書籍では、テスト技術やAgileのプラクティスに関する話はそこまで詳しく書いていません。それは、必要な前提としてありつつも、濃縮した話の中でどうしても載せられなかったに過ぎません。

これを勘違いして、「プラクティスやテスト技術は別にいらなくてもAgile Testingはできる」と思い込まないようにしてください。既にプラクティスやテスト技術に関する素晴らしい書籍はいくつもあります。そのような書籍にも興味を持ってください。

冒頭の発言に戻ります。

「私は本書籍の翻訳に携わることができて本当に嬉しい」

なぜ、携わることができて嬉しいのか。それは、今までのTestingに関する書籍には無かった言葉がいっぱい詰まっているからです。

私は翻訳したことが嬉しかっただけではなく、翻訳中もすごく楽しめました。なぜなら、普段のAgile開発の中で行うべきと考えていたTesting活動が言語化したうえで書かれていたからです!

私はAgile開発の中でのテストに悩んでいる全ての方にこの書籍を届けたいと思い翻訳しました。そして今、このように日本語版の書籍という形になって本当に嬉しいです!

2019年9月に原書が公開されてから約半年で日本語版を出版するにあたり、多くの方に協力していただきました。

ドイツで行われたAgile Testing Days 2019に私と共に参加した伊藤潤平さん、永田敦さん、山口鉄平さん、川口恭伸さんには、イベントの時にAgile Testing Condensedの日本語訳プロジェクトを進めるきっかけをいただきました。このような素晴らしい機会をいただきありがとうございました。また、川口恭伸さんは、文章のレビューだけでなく、原著者とのやり取りについてもアドバイスをいただき、初の翻訳本出版の私にとってはとても心強かったです。本当にありがとうございました。

また、私の妻でもある香央里さんには、普段の生活のサポートだけでなく、拙い私の日本語訳に対して、より良い日本語訳を示してもらいました。ありがとうございました。

そして、この本はLeanpubで発行しています(第1版現在)。スピードを最優先して日本語訳の出版にこぎつけました。*3そのため、まだまだ日本語訳が拙い部分があるかもしれません。日々アップデートしていきたいと思います*4ので、気になる日本語がありましたら、風間宛までご連絡ください。

最後に、この書籍を読んで、Agile開発をしている方々のお役に立てば幸いです。

2020年4月 風間 裕也

さいごに

この本はAgile Testingについてのエッセンスがすごい詰まっており、(自分が翻訳者であるということは関係なく)ホントにホントにオススメの本です!

少しでもAgile Testingに興味がある方はぜひご購入の検討をお願いします!

追記

Agile Testing Condensed』に記載されている中で、特に広く知ってもらいたい内容は別記事で公開しました。

nihonbuson.hatenadiary.jp

nihonbuson.hatenadiary.jp

さらに追記

Agile Testing Condensed Japanese Edition』の公開後、新たに2冊の書籍を公開しました。

詳細は以下の記事をご覧ください。

nihonbuson.hatenadiary.jp

*1:しれっと私の名前も載せています。

*2:ちなみに、このまえがきが翻訳っぽく見えるかもしれませんが、わざと書き直したのではなく、自分の想いをつらつらと書いていたらこんな文調になってしまいました…w

*3:今回の日本語訳はこの本初の翻訳本だそうです!

*4:一度購入していただくと、updateするたびに最新のファイルを無料で取得できます。