先日、「ソフトウェアテスト・品質勉強会」で発表をしてきました。
発表資料
speakerdeckにupしました。
発表時に重視したこと
今回は、「如何に勉強会を楽しんでもらうか」に重点を置きました。
そのため、色々な部分を工夫しました。
自分の頭で考えて、自分で手を動かす
ただ聞くだけの受け身になってしまうと、受講者の理解が進まないことが多いです。
そのため、今回は配布資料も用意し、所々穴埋めにしました。
ちなみに、投影資料の一部で右下に数値を書いています。
これは配布資料のページ数と紐付けています。
受講者に参加してもらう
例題を用意して考えてもらうだけでなく、受講者にも本当に参加してもらうようにしました。
そのために、2人組になってもらい、随所で意見交換をしてもらいました。*1
例えば、以下の例題(投影資料p16)
これは3ステップで実施しました。*2
- 自分自身で考えてみる。考えた結果は配布資料のp13に書き込む。
- 隣の人と意見交換をする。(自分との意見の違いに気付く)
- 私が用意していた内容を伝える。(さらに自分との意見の違いに気付く)
これは、ただ単に説明を聞くだけの場合に比べて、圧倒的に理解度が異なります。
ちなみに、他人と意見交換すると新たな部分に気付けることがあります。
これを教育心理学の用語で「建設的相互作用」と言うようです。
先々月の「教育心理学Meetup」という勉強会でそのことを学んだので、早速活用させていただきました。
educational-psychology.connpass.com
納得感を上げる
より納得してもらえるように、できるだけ具体例を示したり、受講者の考えに寄り添った説明をしました。
例えば、以下の部分(投影資料p9)の具体例2
もちろん、「デジタルニュースの普及」の一言で済ませても良いですが、 「オリンピックで日本人選手が金メダルという話題を次の日の朝刊まで待つことって無くなってきましたよね?」 と伝えたりしました。
また、以下の部分(投影資料p10)
このページを示す前に、「テストの目的について隣の人に話してみて」という指示を出すのですが、その時に私は受講者の話に耳を傾けて意見を拾うようにしています。
そして、その中で出てくる
「きちんと動いているか確かめたいから」
というようなワードを拾ってきて、*3
○○を確かめたい→実装したものありきの話(受講者の考えに寄り添う)→実は「欠陥の作り込みの防止」という目的もある
というストーリーにすると、その後の話も絡めて、最終的に納得してもらえることが多いです。
目と耳を同時に使ってもらう
私は、スライドに詳細な説明を書きません。
また、基本的にスライドの説明をそのまま読むことをしません。
それは「スライドを読む」という目を使うことと、「私の説明を聞く」という耳を使うことの両方を実施してほしいからです。
ただスライドに書いてある内容を読むだけだと、受講者側の集中力も散漫になっていくと思っているのでこの方式を採っています。
一方で、耳を使うこと前提のスライドになっているため、この記事にいくら書いても、実際に受講しなければ伝わらないような内容になってしまっています…。
飽きさせないようにする&本当に伝えたいことを印象づける
聞いている人が飽きないように、また本当に伝えたいことを印象づけるために、言葉の強弱やスピードを調節しています。
例えば、以下の部分(投影資料p8)
ここはあえて、「言葉の強弱をつけない(棒読み)」「速く読む」ようにしています。
そして、「なんだかよく分からないですよね?」と言っちゃいます。*4
一方で、次のページ(投影資料p9)
ここでは、さきほどと真逆に「言葉を強弱をつける」「受講者の人が共感できるように語りかけるような早さで話す」ということを心がけてます。
こうすることで、私がより伝えたいのはp8よりもp9だということを把握してもらうようにしています。
twitter上で、今回の発表内容をマインドマップにしていただいた方がいましたが、私が伝えたかった内容を概ね書いて頂いており、きちんと伝わっていたんだなと感じました。
昨日は「今更聞けないテスト・品質の基礎」勉強会に参加。体験ワークや書籍で伝わらない熱意が発表者の方にあって、とても良い場だった。良かったので久しぶりにマップ本格的に清書してチートシートにする!@nihonbuson さんありがとう。/ https://t.co/bOL65EQR79 pic.twitter.com/qpNwMxrWDk
— 碧彩/hekisai (@hekisai_417) 2017年12月6日
おわりに
この発表資料自体は随分前に作成しました。
ただ、上記で書いたようなこともあり、「ただ資料公開しただけだとあまり伝わらないな…」と思っていました。
そんな時に、アカツキ様から発表の機会をいただくことができました。
アカツキ様、発表の機会をいただき本当にありがとうございました!
もしも、今回の勉強会に参加していたり、この記事を見て、詳細な発表内容や発表方法について知りたい方がいましたら、連絡を頂ければと思います。