今年もJaSST Reviewを開催します!
今年のテーマは「レビュー対象へのアプローチ方法」です。
この「アプローチ」についてもう少し考えてみましょう。
アプローチとは何か?
weblio国語辞典には以下のように書かれています。
①ある目的のために人に近づくこと。親しくなろうとすること。
②学問・研究などの、対象に接近すること。また、接近のしかた。研究法。 「歴史的な観点から-する」
レビューについて言えば、「どのように問題点に近づいていくか」を考えることかなと思っています。「問題点に対してすぐに指摘できる」ではありません。
歯医者を例に考える
歯医者さんとのやり取りは、問題へのアプローチそのものだと思っています。
歯が痛くて歯科医院に行った時、歯科医院に着いてすぐに歯を抜くことはありません。
以下のようなプロセスを踏むと思います。
- 患者に現在どこが痛むのか聞く
- 全体的に歯を見て、どこに虫歯があるのか見つける
- 今後の方針を患者と相談して、治療する順番を決める(複数の虫歯があった場合)
- 歯のレントゲンを取り、虫歯が神経まで届いているのか確認する
- 患者の反応を見ながら虫歯の治療を行う
これにより、32本の歯から徐々に対象の歯を絞っていき、虫歯の状態をだんだん明確にしています。
その際には患者とのコミュニケーションを取ることで、治療の優先順位も決定しています。
これはまさに問題(虫歯)に対して近づいていく(アプローチする)行動そのものです。
このアプローチでは、現在の歯のレントゲンというデータだけでなく、どの部分で患者が痛みを感じているのかなどの反応を見つつ、麻酔が必要かなどを判断していることが分かります。
レビューの場合に当てはめて考える
レビューの場合でも、たくさんのレビュー対象から問題がありそうな部分を絞っていき、問題点をだんだん明確にします。
もちろん、レビュー対象物だけでなく、レビュー対象物の作成者とコミュニケーションを取ることで、解決すべき問題点を見つけたり、優先的に伝えるべき内容を探っていきます。
ただし、歯科医院の場合と違い、どのようなアプローチで問題点を見つけるのか、レビュー対象物の作成者とどのような会話をするのかなどは定かではありません。
このJaSST Reviewというシンポジウムを通じて、レビュー対象へのアプローチ方法について考えていきたいと思っています。
JaSST Reviewでは事例募集をしています!
この「レビュー対象へのアプローチ方法」という話は、まだまだ未開拓の地だと感じています。その一方で、多くの現場ではレビューを行なっていると思います。
そこで、皆さんの現場で行なっている、レビュー対象へのアプローチ方法について事例募集をすることにしました!
締め切りは今月末となります。
参加者の方々と共有して、レビューについて改めて考えてみませんか?
「そんなに新しいことやってないし…」と思っている人へ
大丈夫です。この部分は未開拓の地なので、事例発表をする人なりの言葉で語ってもらえれば、それは他の人にも発見が多いと考えています。
つまり、すでに色々な考え方や技法があるテストや開発の分野に比べて、すぐに新規性のある発表になります!
「事例発表をしたいけど、まだ発表内容が固まってない…」という人へ
まずは「事例発表したいと思っている」と言ってもらえる(ツイート、DM、直接口頭でこっそり教える)と助かります!*1
また、何回も応募して内容をどんどんブラッシュアップして頂いても構いません。
皆様からのご応募をお待ちしております!
*1:運営は「何人応募してくれるのかな…?」と不安でいっぱいです